電話交換機の番号計画って結構大事!!

突然ですが、皆さん交換機の運用やリプレース時に大切なものって何だと思いますか?

ユーザ側・設計者側・施工者側にとってそれぞれ何が大切なのかは随分違ってくると思いますが、私が「最低限これが必要だろ!!」って思うのは【端末の配置】【サービス機能】【番号計画】の3つです。

端末の配置が決まらないと当然施工はできないので「端末の配置」は大切である事はもちろん、交換機に対してユーザがどのような機能を求めているのかも重要なポイントです。
あとは「番号計画」ですね。

なかなかユーザ側には、この番号計画の重要性は伝わらなくて設計・施工側の人間は苦労させられるのですが、実はこの番号計画って非常に重要なのですよ

皆さん誰かに電話すると切って何気に電話番号をダイヤルされていると思うのですが、実はこの電話番号を構成する「番号計画」とは非常に緻密に計算されていて、矛盾や重複を許さず設計監理されていることはもちろん、オフィスの交換機の設計上にも非常に重要な部分でもあります。

まぁ、番号計画を知る上でトランスレーションだとか閉域番号とか解放番号とか難しい言葉がいくつかありますけど、それはさておき「重複しない」という部分がとても大切でして、例えばダイヤル数字「2」をダイヤルすると代理応答機能を使うのだとすれば、内線番号として「2」から始まる数字を使うことはできません。

当たり前ですよね?

でも、これが結構難儀なのです。
重要度の高いサービス機能は、やはり桁数を短くしたいというのがユーザ側からの要望でしょうが、何でもかんでも桁数を短くしてしまうと番号があっという間に枯渇してしまうのです。

例としては・・・
「0」をダイヤルすると一般的な外線発信
「1」をダイヤルすると着信拒否
「2」をダイヤルすると代理応答
「3」をダイヤルすると転送機能
「4」をダイヤルすると通話録音
「5」をダイヤルすると特殊回線での発信
・・・などと計画してしまうと、さて内線番号は何番台で
作れるでしょう?

上記のように1ケタなどで様々なサービスを展開してしまうと番号的にすぐさま枯渇してしまうのはもちろんですし、また逆に大きな自社ビルを所有されているユーザ様などで良くある要望は1階は100番台の内線番号を、2回は200番台の内線番号を3階は300番台の内線番号を・・・としてしまうと、やはりまた番号はすぐに枯渇します。

なぜなら、2をダイヤルすると代理応答と設定しているのであれば200番台の内線番号は作れないのです。
考えてもみてください、あなたが内線201番を呼び出したいとして「2」「0」「1」とダイヤルすると、最初の「2」をダイヤルした時点で交換機から見ると代理応答をするために「2」をダイヤルしたのかまだ「2」の後に番号が続くのか判断できないのです。

だからこのような重複を避けるために、そもそも交換機に「2」というサービス特番と「2」から始まる内線を共存させることはできないのです。

なんだか言葉にすると難しいでしょ?

ですが、交換機という機械を設計・導入してお客様に運用して頂こうと思うと、入念な打ち合わせとユーザサイドの理解が必要なのです。

お客様によっては「番号なんてどうでもいいよ」なんて仰られる場合があるのですが、だからといって気楽に設計しているといざ運用開始の折になってクレームが出たり・・・

また紛らわしい番号計画が交換機の設計上に存在していると暫く交換機を運用しているうちに、思いもよらないトラブルが発生したりもします。

「使いやすさ」と「設計可能な現実」とはなかなか折り合いをつけるのが難しくて、毎回設計のたびに悩まさせるポイントでもありますね。



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