
電話交換機の蓄電池(バッテリー)について
電話用交換機には、その規模の大小に関わらず殆どの機体に蓄電池(バッテリー)が備えられています。
もちろんバッテリーの容量などによって、停電時に何時間の稼働が可能なのかは異なりますし、また電話交換機で制御している内線の台数によっても稼働可能時間は異なるので、蓄電池によって何時間ほど電話用交換機が稼働できるのかは一言では言えません。
なにしろ一台一台の内線電話機に対しても電源供給が必要ですから、何時間バッテリーが使えるかはなかなか正確には言えないんですけど、実際に一般的な電話交換機では小規模蓄電池の場合30分程度で大きな規模の蓄電池を備えていれば3時間程度ではないでしょうか?
もちろん、ものすごい大規模な蓄電池設備を所有していればもっと長時間の稼働が可能なのでしょうから、あくまでも「一般的」にですけどね。
さて
そんな停電時に交換機を稼働させてくれる蓄電池ですがこれは車のバッテリーと同じように寿命がありますので当然寿命が近づけば本来の稼働時間よりも短い時間しかバッテリーは持たないでしょうし、またバッテリーが完全に枯渇すればそのバッテリーは使い物にならなくなります。
これも車と同じですね。
例えば電話交換機に1時間程度対応できるバッテリーを搭載していたとして、30分間の停電が発生した場合などは復電した時にまた改めて充電されるので、次回停電した時もバッテリーは活躍してくれるのですが、もっと長時間の停電が発生して完全にバッテリーが枯渇してしまった場合は復電しても正常に充電されないので次回停電時にはバッテリーが正常に動作しない場合があります。
つまりは、バッテリーの対応時間以上の停電が発生する場合は交換機の電源を落としてバッテリーを守ってあげなければならないのです。
もちろん緊急の停電時にはそのような処置をしている場合では無いのかもしれませんが、案外計画的な停電って定期的に発生するので、電話交換機のメンテナンスを生業としている人は予め交換機を停止しておく処置をします。
(ビルの法定点検とかがあるしね)
バッテリーを搭載しているから停電が発生しても電話・通話が守られるって感じではなくて、実はバッテリーの仕事って、いわゆる「瞬断」の対応がメインなんですよ。
あと、少し余談ですが前述の通りバッテリーには「寿命」ってものがありますが、近年ではメンテナンスフリーなんていって、バッテリーの交換の必要が無いって謳ってるバッテリーがあるんですけど、実際にはバッテリーの寿命がいつまでも続くのではなくって、対応年数が10年とか12年くらいのバッテリーなのです。
・・・で、10年や12年経過すると電話交換機自体の対応年数をオーバーすることになるので現実的に「バッテリーの交換は必要ない」って事なんですよね。
何となく言葉遊びのような感もありますけど、実際数年前まで電話交換機に利用されているバッテリーって対応年数が2~3年程度のものも多かったのでそれと比べると確かにメンテナンスフリーと言ってもいいのかもしれませんね。
まぁ、余計な話だったかもしれませんが、このように設備の寿命を把握しておくのも電気通信主任技術者としての仕事の一つなんじゃないかな?
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