
運用管理とメンテナンスだ!ATM(OAM機能)の問題
OAMはATMネットワークの保守を担う機能を持っていて、F1~F5の層に分類定義されています。
F1は信号のロス、F2誤り率や通信品質、F3はセル同士の仕切りや不良ヘッダ検出を認識します。
あと、F4ではVPの正常性、F5ではVCレベルでの正常性を認識します。
それらの階層分けによって通信の品質やパフォーマンスを監視し、保守管理するための情報セルがOAMです。
ちなみにOAMって言うのはOperation Administration and Maintenanceの略ですから、直訳すると「運用管理とメンテナンス」ということになりますね。
さて、今日はそんなOAMセルに関する記述の正誤を判断する問題です。
それでは早速今日の問題を見ていきましょう。
問題文章 | ワンポイント |
---|---|
故障通知(警報転送)機能は、故障を検出した接続点装置が終端点装置に対して故障の発生を知らせるAISセルを送出するもので、AISセルを受信した終端点装置では、RDIセルを対向する終端点装置に対して送出することにより故障を通知する。 | この文章は正しいよ
※物理レイヤ又はATMレイヤの故障を検出した装置から、VP又はVCに対して故障を表示するOAMセル(AISセル及びRDIセル)を送出することで故障通知が行われる。 ☆故障通知はAISとRDIを送出して行う。 |
コンティニュイティチェック機能は、VPやVCが導通しているか否かを常時監視する機能で、送信側終端点では、送出するユーザセルが一定期間ない場合にコンティニュイティチェックOAMセルを送出する。 | この文章は正しいよ
※監視制御機能(OAM)に導通セルとか警報転送セルとかループバックセルが使われてるんだけど、その導通試験セルがCCセルってこと。 |
性能監視機能は、ユーザセルのヘッダ内のOAM情報を用いてセル損失数、符号誤り数等を測定する。 | この文章は誤りですね
※性能監視機能は、転送される一定数のユーザセルごとに性能監視セルを挿入して、測定区間中の符号誤り数(エラーレート)、セル損失、遅延特性などの伝送品質を、VPやVCごとに測定する。 ・・・ヘッダ内のOAM情報を用いるんじゃなくて、ユーザセルごとに性能監視セルを挿入するのか? |
さて、いかがでしたでしょうか?
3つ目の文章についての注釈が、何だかちょっと微妙な書き方になってしまったので、性能監視機能についてポイントを列挙しておきます。
- 性能監視機能は、転送される一定数のユーザセルごとに性能監視セルを挿入して、測定区間中の符号誤り数(エラーレート)、セル損失、遅延特性などの伝送品質を、VPやVCごとに測定する。
- コンティニュイティチェック機能及び性能監視機能は、起動/停止OAMセルにより起動/停止される。どちらの機能を起動/停止するかは、ペイロードのOAM機能種別で指定する。
- VPやVCのセル損失数や符号誤り数などは、受信側コンティニュイティチェック用のOAMセル情報を用いて確認できない。
特に「VPやVCのセル損失数や符号誤り数などは、受信側ではチェックできない」ってことと、「機能の起動停止はペイロードのOAMで指定」ってとこは交換の分野だけじゃなくて伝送交換設備及び設備管理でも複数回出題されているのでチェックしておきましょう。
あと、余計な話だけど「コンティニュイティチェック」は「継続性」という意味ですよ。
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