ITU-T勧告H.265 / HEVCについてのお話だったり

今日は少し電気通信主任技術者のお勉強から離れて、最近の映像技術についての話題を紹介したいと思います。

まぁ、試験の問題にももしかすると将来出題される機会があるかもしれないので、最近の技術についても触れておこうかな・・・なんて感じです。

さて、そんなワケで今日の主題はH.265HEVCについてです。

まず初めにH.265とHEVCはどちらも同じ技術を指し示す単語なんですけど、HEVCはHigh Efficiency Video Codingの頭文字をとったもので低いビットレート環境においても高い画質を維持できる技術の事を言います(MPEG-H)。次にH.265については前述のHEVC技術がITUによって国際標準規格として承認しITU-T H.265として規定されました。

ちなみに、「ITU」は国際電気通信連合のことでInternational Telecommunication Unionの略で、さっきH.265の説明に「ITU-T」って書いたのは無線関連であれば「ITU-R」とされて電気通信開発関連であれば「ITU-D」になり、今回は電気通信標準化部門ですので「ITU-T」となります。
(簡単に言うと部門分けされてるってことです)

H.265 / HEVCってどんな技術なのか?

今現在は世間でもモバイル端末などで動画などを見ている人を電車の中や喫茶店などで頻繁に見かけるようになりましたけど、こうやって無線環境などで動画のような多大なファイル量を取り扱おうとすると、回線をひっ迫することにもなりどうしても低いビットレートで高画質を保持できる技術が必要になります。

今現在多くの携帯電話業界団体でもMPEG-4が標準ファイルフォーマットとして採用されているんですけど、MPEG-4を上回る高圧縮率を誇る技術としてH.265 / HEVCが開発されました。

MPEG-4つまり、MP4(H.264)と比較しても同等レベルの画質を保持しつつ半分程度のビットレートで実現可能であるそうです。

何だか少し難しい話になりましたけど、モバイル端末での視聴には無線帯域を圧迫することになり、据え置き型のPCで視聴するにしてもインターネットの帯域を圧迫することになりますので、如何に低いビットレートで今はやりの「高精細」な映像を維持できるのかはインターネットの世界全体でも待ち望まれている技術であって、H.265 / HEVCはネットワーク帯域圧迫に対して映像を効率よく圧縮するための技術として標準化た進められてきたんですね。

もちろん低いビットレートで伝送できたとしても、今現在では「高画質で当たり前」という風潮ですから画質の劣化を抑えながらも高圧縮である技術が必要だったんですね。

そこで、H.265 / HEVCでは映像符号化に際して映像自身の空間的な類似性・冗長性に着目して、同様に映像のタイムラインの類似性・冗長性にも着目し映像の高圧縮化を実現しています。

新技術普及に纏わる問題(素人考えですが…)

確かにH.265 / HEVCは素晴らしい技術であることは間違いないとして、この技術が普及するためにはいくつかの問題があるような気がします。
(私個人的にね)

当然の話ですけど、H.265 / HEVCがITUで勧告されたからと言って、すぐにこの技術が普及することはできず、まずはHEVCフォーマットを処理できるデバイスが普及する必要がありますよね。

ここ最近で爆発的に普及しているタブレット端末やiOSとかAndroidの携帯電話などが一斉にビデオフォーマットを刷新するには時間がかかるでしょうしね。

過去を振り返るとMPEG-4の普及率もアップル社の働きによってごく短期間で急速な普及を見せたこともあるので、流れ始めると早いのかもしれませんけどね。

あとは、各端末やキャリアがHEVC対応に乗り出したとして、今度はそれらのデバイスが如何に再生時データ処理の負荷に耐えられるかということですかね?

確かにH.265 / HEVCの技術によって低ビットレートでの高画質動画を伝送できたとして、ハード側(パソコン・携帯・プレーヤーなど)ではどれだけの処理能力を必要とされるのかが気になります。
(処理が軽かったらいいですね)

最後に・・・

ザックリとH.265についてご紹介してきましたがいかがでしょうか?

正直なところ電気通信主任技術者の試験問題にH.265の問題が出題される可能性は低いかもしれませんが、やはり電気通信を生業とするものとしては最近の技術について少々知っておいた方が良いと思うのですよ。

今日のエントリーが皆さんのアンテナの幅を少しでも広げることに貢献できれば幸いです。



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