
ちょっと難しい?「PONシステム及びSS方式」の問題
今日の問題は光アクセスネットワーク関連の問題から「PONシステム及びSS方式」についての出題です。
SS方式というのは光アクセスネットワーク技術の中の一つでSingreStar方式のことですね。
要はセンターを中心に1対1の光網構築を行い、構成的にはスター型になります。
だからSingleStar方式というんですね。
このSS方式はユーザに対して1本の光ファイバが必要になるので、導入コストは高くなりますが、1ユーザが1本の光ケーブルを占有するので速度面やセキュリティ的にもユーザごとに柔軟に対応しやすいというメリットもあります。
ただ、局から光ファイバを1ユーザが占有するってのは案外難しいもので、個人で契約するとコスト的にも厳しくて、ビジネス向けに使われることのほうがほとんどなんじゃないでしょうかね?
さて
今日はそのSS方式などについて書かれた文章を読んで正誤を判断するタイプの問題です。
それではさっそく問題を見てみましょう。
問題文章 | ワンポイント |
---|---|
PONシステムのレンジングとは、OLTが、各ONUからの上り信号が衝突しないように送信タイミングを算出するために、OLTと各ONU間の伝送時間を測定する処理などを言う。 | この文章は正しいよ
☆ PONシステムのレンジング=OLTが、各ONUからの上り信号が衝突しないように送信タイミングを算出するために、OLTと各ONU間の伝送時間を測定する処理などを言う |
PONシステムで同報型通信を行う場合、各ONUはリンクアグリゲーション機能により、容易に自分あて信号を受信することができる。 また、同報型通信は、映像配信サービスに適しており、映像信号の多重も1心光ファイバによる空間分割多重技術により行われる。 |
この文章は誤りです
※とりあえず、どう考えても「リンクアグリゲーション」はおかしいよな。。 |
SS方式で、ユーザ多重を行うには、通信の衝突が発生しないように、1心光ファイバで双方向伝送する技術が必要となる。 双方向伝送技術としては、DMT(Discrete Multi-Tone)、SCM(Single-Carrier Modulation)などがある。 |
この文章は誤りです
※文章の前半部分は正しいと思うが、SCMはともかくDMTってxDSLで使用されている通信方式で、使用する帯域を約4kHzごとに256分割し、個別にデータを通信する方式だろ? ※DMTじゃなくてWDMとかになるんじゃなかろうか? |
SS方式の代表的な装置は、MC(メディアコンバータ)であり、イーサネットのメタリック伝送の標準方式である100BASE-FXを光伝送の標準方式である100BASE-TXに変換する。 | この文章は誤りですね
※むぅ・・・TXとFXが逆なだけだろう |
さて、いかがでしたでしょうか?
2つ目の文章はPONシステムで同法型通信を行う場合には、確かにONUが自分宛の信号を受信する機能を働かせているのは間違いないんだけど、これはIPアドレスによって自分宛のデータだと判断するんですよね。
ちなみに「リンクアグリゲーション」っていうのは、複数の物理リンクを1の論理リンクとして使用する技術で、一般的には隣り合うスイッチ同士などで接続したり、サーバーとスイッチ間で使用される技術です。
それに、同報型通信だからマルチキャストやユニキャストとかは映像配信サービスに適した面があるのかもしれないけど、ここで空間分割多重を引き合いに出すのはおかしいですよね。
あと、4つ目の文章なんだけど確かに100BASE-FXと100BASE-TXを変換する機能をメディコンは持っているんだけど、100MbpsのEthernetの規格としてメタリック伝送の標準方式は100BASE-TXで光伝送の標準方式は100BASE-FXですから逆になっているだけですね。
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