
「なぜ優先度が決められているのか?」が決め手な優先度による制御の問題
今日の問題は交換機関連の問題から「優先度による制御」についての出題です。
さほど難しい問題じゃないと思うんだけど、交換機が処理するプログラムの中で「なぜ優先度が決められているのか?」とか、「緊急レベル制御って何だ?」とか「クロックレベル制御って何?」ってことが問われています。
ちなみに、この交換機のプログラム制御関連の問題で重要になってくるのは大きく2つあって、「クロックレベル制御」と「ベースレベル制御」ってやつ。
それぞれの特徴を列挙すると下記のような感じですね。
- クロックレベル制御=正確なタイミングを必要とするプログラムを制御する形態で、周期的にプログラムを起動することにより実時間性を確保する
- ベースレベル制御=実時間性の制約の緩やかなプログラムを制御する形態であり、サービス分析処理や番号翻訳処理など時間制度をさほど必要としない呼処理プログラムや、保守運用関係のプログラムを起動する場合に用いる
・・・あ、ちょっと今回の問題の答えが含まれてたりしますね。
それはともかく、今日の問題を見ていきましょう
問題文章 | ワンポイント |
---|---|
電話用デジタル交換機では、実時間性の確保という制約の中で、多重処理を効率よく実行させる必要があるため、各々のプログラムに優先度を付与している。 | この文章は正しいよ
※クロックレベルとベースレベルがあるのは、多重処理を効率よく実行させるためですな。 |
緊急レベル制御は、故障などシステムの異常を検出したときに、故障回復処理をおこなうプログラムを制御する形態であり、他に実行中のプログラムがあっても処理を中断させ、故障処理を優先的に実行させている。 | この文章も正しいです
☆緊急レベル制御=異常を検出したときに、故障回復処理をおこない、他に実行中のプログラムがあっても処理を中断させ、故障処理を優先的に実行させている |
クロックレベル制御は、正確なタイミングを必要とする保守運用などのプログラムを制御する形態である。 | この文章は誤りです
※「保守運用関係」は別に厳しい実時間性は問われないんだから「ベースレベル」でしょ。 |
さて、いかがでしたでしょうか?
交換処理を行うためのプログラム制御は1つ目の文章にも書いているんだけど、「交換機」って機械は同時に様々な制御プログラムなどを実行しながら稼動しているワケで、その多重処理を行うためにプログラム同士に優先度をつけて効率よくソフトウェアを働かせてるんですね。
まぁ、コレは交換機だけじゃなくってパソコンだってそうだと思うんだけど、何もかものプログラムを一辺に処理するのは効率が悪くて、マシンに負荷が高まっているときにでも何とかして優先的に処理を行わなければならないプログラムだってあるし、逆に「この処理はいつでも良いや!」ってな感じで処理の遅いプログラムもあるのよ。
それが解っていれば、今回の問題が3つ目の文章ってあからさまに「誤りの文章」だって事は読み取れるんじゃないかな?
3つ目の文章に書かれている「保守運用関係のプログラム」ってのは、定期的に故障や不具合を操作する仕組みや、保守運用業者(私とかね)が操作するインターフェースの管理とか、課金・トラヒックなどの統計の蓄積を行っていたりするわけですけど、それらが別に厳しい実時間性を問われることなんて無いのは想像に易いんじゃない?
そんなワケで、交換機の知識としてそれほど重要なところではなかったかもしれませんけど、交換機って機械は蓄積プログラム方式で稼動していてそれぞれのプログラムには優先度があり、時分割多重されてんだッてことを覚えておけば、このあたりの問題はクリアできるんじゃないですかね?
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