アーランB式の計算のコツを紹介してみようと思う今日この頃


アーランB式ってのは呼損率を計算するための式ですね。

電気通信主任技術者の試験ではイロイロと計算問題が出題されるワケですけど、専門的能力:交換ではトラヒックの計算問題が出題されますよね?
大抵は掛け算と引き算、それに分数とかの算数の知識があればクリアできるものが多いんだけど、このアーランB式が苦手って人は多いんです。

ってか、式を見るだけでビビる人が多いんですよ。

ちなみに、アーランB式の計算は下記のような式を使用します。

B=\frac{\frac{a^n}{n!}}{1+\frac{a}{1!}+\frac{a^2}{2!}+\frac{a^3}{3!}\cdots+\frac{a^n}{n!}}

なんだかウンザリしますね・・・

もともと理系の人であれば容易い計算式なのかもしれませんが、式の中に【!】が入っているだけで「ふぇぇ・・・、ぶんすうにへんなもじがはいっているよぅぅぅ」ってなる人がいるかもしれません。

でも、実は慣れて(覚えて)しまえばそんなに難しいものでもないので、今日はそのあたりを解説したいと思います。

式の中にある【!】ってなに?

このアーランB式の中にある【!】は階乗と言います。

例えば【3!】であれば1×2×3のことで6になります。
次に【4!】であれば1×2×3×4ですから24です。
同じように【5!】であれば1×2×3×4×5ですから、120になります。

簡単でしょ?

電気通信主任技術者のアーランB式はそれほど・・・

実際の現場でのアーランB式を使っての呼損率計算は回線数が多いほど計算に大変な労力を要します。
PRIインターフェースで音声通信されている現場なんか1本のPRIだけで23回線になってしまうし超大変!!

でも、電気通信主任技術者試験に出題されるアーランB式を使った問題は3~4程度の回線数の問題しか出題されませんので、階乗の部分を丸暗記してしまえばそれほど難しくないし、計算にも時間がかからないのです。

さっきも書いたけど、こんな感じ・・・

階乗表
階乗
1! 1
2! 2
3! 6
4! 24
5! 120

あとは出題された問題のアーランの値によってある程度パターン化できるので上の表を覚えておけば、実際の試験では式に当てはめるだけで計算の苦労を半減できるの。

ちなみに3アーランで回線数が4であれば下記のようになりますね。

B=\frac{\frac{3^4}{24}}{1+\frac{3}{1}+\frac{3^2}{2}+\frac{3^3}{6}+\frac{3^4}{24}}

というわけで、後は順次計算をしていけば答えを導き出すことができます。

たったこれだけの事ですけど、階乗部分だけでも覚えておくと随分楽ですよ。

実際の問題に当てはめてみる

それでは、さっきの階乗部分の丸暗記を踏まえて、実際の問題に当てはめてみましょう。

下の文章は過去に出題された問題の中から、アーランB式を使用して文章の正誤を判断する問題です。
(抜粋)

早速見ていきましょう。

問題

即時式完全線群について述べた次の文章は【 ? 】。ただし必要な時は、アーランの損失式を使用し、四捨五入により小数点第1位まで求めるものとする。

○ 加えられた呼量が2.0アーランのとき、出回線数が少なくとも3回線あれば、呼損率を0.3未満にすることができる

この問題はアーランB式の計算をやってみて、呼損率が0.3未満の値が出れば「この文章は正しい」と判断できて、0.3未満に収まらないようなら誤りの文章であると判断できるということです。

それでは、計算してみます。

まず、呼量が2アーランで回線数が3ということですから、値をアーランB式に当てはめてみます。

B=\frac{\frac{2^3}{6}}{1+\frac{2}{1}+\frac{2^2}{2}+\frac{2^3}{6}}

次に乗数になっている部分を計算してみます。

B=\frac{\frac{8}{6}}{1+\frac{2}{1}+\frac{4}{2}+\frac{8}{6}}

ここまで来れば後はただの分数と足し算ですね。

順番に計算してみましょう。

B=\frac{\frac{8}{6}}{1+\frac{2}{1}+\frac{4}{2}+\frac{8}{6}}
B=\frac{\frac{4}{3}}{1+2+2+\frac{4}{3}}
B=\frac{1.3}{1+2+2+1.3}
B=0.2

式は等号で書いちゃったけど、答えは呼損率およそ0.2ってとこなので問題文章の0.3未満になるから「この文章は正しい」と言えますね。

面倒ですけど、とても簡単ですね。

現実の仕事で出てくるアーランB式

このアーランBの損失式って交換系の世界に生息していると結構仕事上で出くわすことがあるんですよ。
特にコールセンターシステムの構築とかね。

例えばユーザ環境でどれだけの回線数があって、アーランBの損失式で計算すると呼損率がこれだけだから、もう少し回線数を増やさないといけませんね・・・とか、オペレータの業務効率を見直さなければならないですね・・・とかアドバイスしなければならなかったりするの。

例えば、2回線所有する小規模コールセンターで1時間当たり40回の着信があり、通話処理に1件あたり300秒(5分)だったとします。

すると、【呼数:C】【保留時間:H】とすれば1時間当たりのアーラン:Aの求め方は下のようになるのです。

A=\frac{{C}\times{H}}{3600}

条件を式に当てはめると・・・

A=\frac{40\times300}{3600}

これを計算すると、答えはおよそ【3アーラン】となります。
(3.3333…だけどね。)

アーランを導き出しとところで、次に呼損率を求めます。
これは今回勉強したやつですね!!

B=\frac{\frac{a^n}{n!}}{1+\frac{a}{1!}+\frac{a^2}{2!}+\frac{a^3}{3!}\cdots+\frac{a^n}{n!}}

ココに最初の条件であった2回線の回線数とさっき計算した3アーランを入れてみます。

B=\frac{\frac{3^2}{2!}}{1+\frac{3}{1!}+\frac{3^2}{2!}}
B=\frac{\frac{3^2}{2}}{1+\frac{3}{1}+\frac{3^2}{2}}
B=\frac{\frac{9}{2}}{1+\frac{3}{1}+\frac{9}{2}}
B={5.2}

呼損率5.2だとロスが多すぎてクレームの嵐でしょうね・・・
これを回線数を4にすると呼損率は0.2くらい、回線数5にすれば呼損率は0.1くらいになるのでクレームを減らすことができますよね?ってアドバイスできます。

また、回線数を増やすことができなければオペレータの業務効率を改善してアーランの値を小さくするのかですね。
(1件当たりの通話時間を短くする等)

今回の例では通話処理に1件あたり300秒(5分)という条件でしたが、これを180秒(3分)にすることができればアーランを計算し呼損率を求めると「回線数:2回線」「呼数:40」「平均保留時間:180秒」では、2アーランとなり呼損率は0.4と少し改善されます。
つまりこのユーザでは業務効率を高めたりオペレータの数を増やすよりも、回線数を増やすほうが先決だよね・・・ってことがわかります。

だって、平均保留時間を短くしても少ししか呼損率は改善されないし、「呼数」を減らすということは電話がかかってこないようにするということだから、ここは数値を下げることができませんからね。

ちなみに、こういった計算をする上での平均保留時間ってのは、実際にお客様と電話でお話をしている時間だけじゃなくて、電話を切った後の事後処理(事務処理)なども含まれるから要注意な!

まぁ、こんなコールセンターのお話やオペレーター人数の話なんかは電気通信主任技術者の試験にはあまり関係ないんだけど、交換の世界にかかわりのある人なら知っておいてほしいな・・・って感じです。
オペレーターの適切な人数などを計算するときにはアーランC式の方がマッチするんだけど、それこそ電気通信主任技術者試験に出題されることは無いから、ここでは紹介しないよ。

最後に・・・

アーランB式関連の問題ってそれほど難易度は高くないんだけど、やはり数字が苦手な人は冒頭でも書いた通り式を見ただけでビビってしまいがちなんですよね。

でも、慣れてしまえば電気通信主任技術者の試験で出題される計算はそれほど難易度は高くないので練習しておきましょうね。

まぁ、ぶっちゃけ歴代の過去問を見てみると「呼量が2アーランで回線数が3」って問題ばかりなので、計算方法を覚える必要すらないかもしれませんけどね・・・

今回のエントリーでは後半でコールセンターの話になってしまったり道が少しそれてしまいましたけど、そんなのは試験には出てこないので、あくまでもアーランBの損失式の練習だけしておけばいいと思うよ。


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