「ランダム呼の生起する条件等」と「即時式完全線群におけるトラヒック」

今日はトラヒック関連の問題を2つほど紹介しますね。

どちらも比較的簡単な問題だけど、案外出題頻度が高いというか類似した問題がよく出てくるので、しっかりと勉強しておきたいところ。

ただ、このあたりの問題って紛らわしいというか、意地悪な揚げ足取りっぽい問題が多いので、実際の試験では問題文章を冷静に読むようにしましょうね。

それでは、さっそく本日1つ目の問題を見ていきましょう。

即時式完全線群におけるトラヒック
問題文章 ワンポイント
疎通呼量は、出回線群の各瞬間の同時接続数の総和を、測定回数で除したものに等しいとみなすことができる。 この文章は正しいんです

☆そ通呼量=出回線群の各瞬間の同時接続数の総和を、測定回数で除したもの

生起した呼が回線群を占有した延べ保留時間は、呼量といわれる。 この文章は誤りだね

☆「呼量」は呼の延べ利用時間(「保留時間」と言います)を単位時間で割ったもので、アーランという単位を使って表します。

☆一定間隔で測定したある回線群の使用中回線数の合計値を測定回数で割れば、この回線群の調査時間中に運ばれた呼量が求められる。

※「回線群を占有した延べ保留時間」はただの「延べ保留時間」じゃないのか?その、延べ保留時間を単位時間で割らないと「呼量」って呼んでもらえない。

生起した呼が回線群を捕捉してから開放するまでの時間は、保留時間といわれる。 この文章は正しいよ

☆保留時間=生起した呼が回線群を捕捉してから開放するまでの時間

さて、いかがでしたか?

この問題では2つ目の文章が誤りの文章だったワケですけど、「ある呼が生起する確率は、その前に生起した呼の数により変動する。」って書いてありますが、そんなの有り得ませんよね?

この文章を日常生活っぽく読みかえると、「電話がかかってくる確率は、昨日電話がかかってきた回数によって変わる」って・・・そんなことないよね?

つまり、この文章が誤りであることは簡単に解りますよね?

それでは次の問題を見ていきましょう。

ランダム呼に関する問題です。

ランダム呼の生起する条件等
問題文章 ワンポイント
いつの時点でも呼が生起する確率は同じである。 この文章は正しいね

※ランダム呼は、いつでも呼が生起する確率は同じ(ランダム)

ある呼が生起する確率は、その前に生起した呼の数により変動する この文章は誤りだね

※それ以前に生起した呼とは関係がないです。

十分短い時間を取れば、その間に二つ以上の呼が生起する確率は、無視できるほど小さい。 この文章は正しいよ

☆ランダム呼は十分短い時間単位なら、その間に二つ以上の呼が生起する確率は無視できるほど小さい

任意の時間間隔における呼が生起する確率はポアソン分布となる。 この文章は正しいです。

☆その通り!ポアソン分布です。。。

さて、いかがでしたか?

この問題は2つ目の文章が誤りだったワケですけど、呼量・・・つまりアーランは延べ保留時間を単位時間で割り算しないと導き出すことができません。

問題文章に「生起した呼が回線群を占有した延べ保留時間・・・」って書いていますけど、それはただの「延べ保留時間」でしかなく、アーランを算出するには単位時間で割ることになりますから、1時間であれば3600で割り算しなければなりませんね。

なんだかサラっとだけ文章に目を通すと、さも正しいことが書いてあるような気になってしまいがちですけど、冷静に読むと「いや、それは違うだろ?」ってことが書いてある事が多いので、間違えないようにしましょうね!



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