
Cell Loss Priorityは関係なかったりする「ATMレイヤのOAMセル」の問題
今日の問題はATM関連の出題で「ATMレイヤのOAMセル」です。
OAMセルっていうのは、Operation Administration and Maintenanceの頭文字をとったもので、運用管理とメンテナンスに使用されるセルだということです。
ATMのOAMセルに関する出題では、「故障通知機能」「性能監視機能」「コンティニュイティチェック機能」などについての問題が良く出るんですけど、今回はそれぞれ個別機能についてではなくてOAMセル自体の特徴に関する記述がされています。
ちょっと難しい問題かもしれませんね・・・
さて、それでは早速今日の問題を見ていきましょう。
問題文章 | ワンポイント |
---|---|
OAMセルは、対象VP又はVCのユーザセルとともに転送されるため、ユーザ情報と識別することが必要となる。 | この文章は正しいです
※どこまでがユーザ情報で、どこまでがOAMセルなのか分からないとマズいですものね |
VP用OAMセルでは、対象VPのVPI値が与えられ、ユーザセルとの識別のために特定のVCI値が与えられる。 | この文章は正しいよ
※「これは、VP用のOAMせるですよ!!」って明示するために、特定のVCI値が付けられる。 ※特定のVCI値=0004HだったらVP用のOAM ってこと(←あんまり重要じゃないよ) |
VC用のOAMセルでは、対象VCと同一のVPI値及びVCI値が与えられ、ユーザセルとの識別のために特定のCLP値が与えられる。 | この文章は誤りです
☆VC用OAMセルでは、対象VCと同一のVPI値及びVCI値が与えられ、ユーザセルとの識別のために特定のPTI値が与えられる ※CLP値じゃなくてPTIね。 ☆VP用OAMセル=対象VPのVPI値が与えられ、特定(0004H)のVCI値でユーザセルと識別してる。 |
OAMセルのペイロードの先頭バイトは、どのOAM種別のOAM機能に用いるセルなのかを識別する領域であり、ペイロードの残りの領域には、各OAM機能で個別に定義される情報及び誤り検出ビットなどが挿入される。 | この文章は正しいよ
☆OAMセルのペイロードの先頭バイトは、どのOAM種別のOAM機能に用いられるセルなのかを識別する領域となっている ☆ペイロードの残りの領域には、各OAM機能で個別に定義される情報及び誤り検出ビットなどが挿入される ☆OAMセルは、対象VP又はVCのユーザセルとともに転送されるため、ユーザ情報と識別することが必要となる |
さて、いかがでしたでしょうか?
1つ目の文章は正しい文章で、OAMセルは、対象VP又はVCのユーザセルとともに転送されるのですから、ユーザセルとOAMセルとの区別ができるようになることが必要だって事ですね。
2つ目の文章も正しい文章で、対象VPのVPI値が与えられて、ユーザセルとの識別のために特定のVCI値が与えられます。
4つ目の文章も正しい文章で、OAMセルのペイロードについて書かれていますね。
さて、問題は3つ目の文章です・・・
3つ目の文章は誤りの文章なワケですけど、VC用のOAMセルではユーザセルとの識別のために与えられる値は「PTI」です。
PTIはPayload Type Indicatorの略で、3ビットのフィールドを持っていてATMセルの種類・経路のトラヒック(EFCI)などを含みます。
ちなみに誤りの文章に書かれている「CLP」はCell Loss Priorityの略で、セルの優先度といいますか、ネットワーク上で破棄される(可能性がある)のか、されない(可能性がある)のかを設定するものですから、ユーザセルとの識別には全然関係ないので誤りだってことですね。
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