4線式アナログ専用線とインバンドリンガーについて語るようですよ


今回は4線式アナログ専用線とインバンドリンガーと交換機の接続についてお話をしましょう。

インバンドリンガーとはどのような装置で、どのように交換機(OD)や3.4k専用線と接続するのか、SS/SRとは何なのか、呼び出し・接続・切断などの信号をやり取りする方法などについて紹介します。

4線式のアナログ専用線やインバンドリンガーは近年「廃れた技術」と呼ばれるようになって久しいのだけど、実はマダマダ現役で使用されているユーザさんもいらっしゃるし、この「廃れた技術」を理解していなければ近年の技術も理解できない場面も多かったりする。

ISDNだってそうでしょ?ネットワーク系の人とか、上位プロトコルで仕事している人にとってはISDNなんて完全に過去の技術のように言われることが多いんだけど、実際音声交換の仕事をしている人とか伝送の仕事をしている人にとってISDNってマダマダ使用されることが多いし、またISDNのシーケンスを理解しておかないと別のプロトコルの仕事もきつかったりなんて場面もあるの。

過去の技術を知っておくことって、今現在の技術の基本を知るということになるので、案外重要なのな。

何が重要か?って、例えば確かにインバンドリンガーなんてここ数年は見ることもなくなったんだけど、音声ゲートウェイと交換機の接続の基本って、アナログ専用線を理解していないとツラいものがあると思わない?

伝送路がデジタルになっても、IPになっても意外と交換機と伝送装置との間はアナログが多かったりするの。

そこでね、電気通信を生業としているおじさんとか、おじいさんに「教えて!」って言っても、この業界に生息する人種は自分の知っている技術をあまり口にしない閉鎖的な世界だったりするのね。

多分、今この記事を読んでくださっている方も、誰も教えてくれないからネットで調べようとしたら「電気通信主任技術者のススメ」に辿り着いたって感じじゃないでしょうか?

まぁ、そんな前置きはこの辺にしておいて、アナログ専用線:インバンドリンガーについて少しお話しておきましょう。

4線式アナログ専用線

アナログ専用線の用途は様々で、その用途は音声通信(つまり電話)、FAX、データ伝送もあり、伝送速度もまちまち。

更に言えば、接続方式も1対1の接続だけでなく、スター型に専用の網を構築することもできるし分岐してツリー型の網を構築することもでき、案外自由度は高いの。

確かにアナログ公衆網、デジタル公衆網でも似たようなサービスは提供されているワケだけど、公衆網ではなく「専用」の網を構築する「専用線」を使用するメリットって言うのは様々あるのよ。

例えば、公衆網のように世間の回線輻輳に影響されないし、秘匿性も高いし、料金が定額であることが多いのでコストメリットも高いってのが一般的なところ。

他にもWikiみて初めて気付いたんだけど↓↓見たいなメリットもあるみたい。

回線設備の敷設・保守を電気通信事業者が行うので、顧客の技術的負担が私設線より小さい。

・・・なるほどな。


           ____
         /      \
        /  ─    ─\ ふ~ん・・・
      /    (●)  (●) \
      |     (__人__)   |
       \     ` ⌒´   ,/
      ノ      ー‐   \

さて、あまりこのあたりのサービスについて述べ始めるとキリが無いので、交換機屋さんにとっての専用線の話をしていくと、一般的にアナログ専用線ってのは2種類あって、LDTとODTってのに分類されます。

LDTとはLoop Dialling Trunkの略で、一般的には市内専用線として利用され、2線式のもの。

専用線とは言うものの、2線しかないし使い方も殆ど内線を長距離伝送しているだけなので、殆ど悩むことは無いよね。
(極性とかもあまり気にしないし・・・)

もう一つ、ODTはOutband Dialling Trunkの略で主に市外専用線として使われて、4線で伝送されるの。

多くの人が悩まされるのは後者のODTだよね?

何が悩みの種になるかって言うと、この4線は交換機から4線出して、そのまま4線で伝送して、相手局がそのまま4線で受けるわけじゃないの。

その殆どは自局の交換機と相手局の交換機との間にインバンドリンガーや音声ゲートウェイが存在することになるんだけど、この交換機⇔インバンドリンガーの間は4線じゃなくて6線だったりするので話がややこしくなります。

ちょっと、Excelで簡単に絵を書いてみるとこんな感じ。

4線式専用線

絵が雑過ぎですか?

この図の中央部分の4Wの部分がいわゆるキャリアから提供される「4線式専用線」という伝送区間です。

交換機からインバンドリンガーの間は6W・・・つまり6線式になっているんだけど、ここあたりが新人交換機屋さんを悩ませる部分でしょう。

ここについては後で詳しく説明します。


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           /      \ そんな詳しくやんないよ・・・
          / ─    ─ \
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        \     ` ⌒´    ,/
 r、     r、/          ヘ
 ヽヾ 三 |:l1             ヽ
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   ヘ lノ `’ソ             | |
    /´  /             |. |
    \. ィ                |  |
        |                |  |

さて、まずはこの「4線」って何なのか?を説明しましょう。

「4線」ってなに?

さっきから「4W」って言ったり、「4線」って言ったりしてますけど、どちらも同意。

4本の線を使ってるから「4線式」で、4Wって言ってんのは4Wireのこと。

内線とかだと大抵2線だけど、このアナログ専用線ってのは自局と相手局の間の伝送区間を送りと受けでそれぞれ2線使用してるの。

送りで2線、受けで2線・・・合わせて4線なのね。


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     /      \
   /⌒   ⌒   \   ・・・で?
  /(● ) (● )   \
  | ⌒(__人__)⌒      |
  \   `⌒ ´     /
    /            ⌒ヽ
  / _        /  |
  ’、__ヽ (  ̄ ̄ _/
  /   \  / ̄ ̄ヽ  .|
  |   、   |      |
  、   \__|    | /
   \_  |  | _ /~´
   (__/  (__)

ここで、少し覚えておいて欲しいのですが、この送り(上り)のことを「T」と、受け(下り)のことを「R」といいます。

「T」と言うのはチップ、このチップで2線ありますからそれぞれTA/TBと表現したり、TT/TRと表現したりします。

「R」というのはリング、このリングで2線ありますからそれぞれRA/RBと表現したり、RT/RRと表現したりします。

電話交換機屋のオッサンたちが「チップ・リング」っていっていたら、この送り・受けのことを指します。

つまりアナログ専用線の4線というのは、チップのA線とB線、リングのA線とB線のことで、TA/TBとRA/RBの4本の線です。

TT/TR/RT/RRという場合は、同じ意味だけど4WがそれぞれTR(Transmit Ring)・TT(Transmit Tip)・RR(Receive Ring)・RT(Receive Tip)を指します。

このあたりベンダーごとに協調することが無いので、マルチベンダーで一つの網を構築しようと思うと話が合わなかったりするので不便だったりするところ・・・
(これを私たちは「方言」といいます)

この4線の送り側を4WS(よんわいやーえす)、受け側を4WR(よんわいやーあーる)と呼ぶことも多いので、併せて覚えておいてください。


      ___
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\ +  4WSと4WRなら覚えたおwww
 +/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |     |r┬-|     |
  \    `ー’´    / +
   ノ           \
  /  /        l  l   .
__l  l_.[] _____/_/__
  \, ´-‘ヽ
    ヾ_ノ
     |
     |
     |__   コロ・・・・
    _____\    コロ・・・・
   ()__)」

さて、ちなみにこの4本の線のうち、どれを送りにするのか?どれを受けにするのかは一般的にはキャリアのほうから指定されます。

「この線は送り線ですよ~。コッチは受け線ですよ~」って感じ。

これは局舎内のフィルタリングの都合だったり、伝送の都合だったりするので、音声信号の流れは一方通行なのでキチンと守って接続しませう。

さて、伝送区間の4線はこの辺で置いて、交換機からインバンドリンガー間の6wについて説明しましょう。

インバンドリンガーとは何なのか?

6線の前に、そもそもインバンドリンガーとは何なのか?を知っておかなければなりませんね。


             /)
           ///)
          /,.=゙””/              人人人人人人人人人人人人
   /     i f ,.r='”-‐’つ____      <                  >
  /      /   _,.-‐’~/⌒  ⌒\    < 細けぇ事はいいんだよ!! >
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\   <                  >
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \   YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ”\      `ー’´     /

いや、細かいことじゃないので、やっておきましょう。

インバンドリンガーの役割は4線の専用線を伝送媒体として音声やダイヤル信号、パルスを送出または受信するための装置です。

デジタル専用線とかゲートウェイ装置だったりすると、プロトコル変換とか符号化・暗号化とか難しい仕組みが沢山付随してくるんでしょうけど、4線式のアナログ専用線ではそんな役割は果たしません。

さっき書いた絵をもう一度持ち出すと・・・

4線式専用線

この絵はインバンドリンガーを用いたアナログ専用線の図ですけど、このインバンドリンガーの部分を音声ゲートウェイに置き換えればIP専用線の接続図としてみることもできます。
(ちょっと無理?)

でも、やっていることはアナログとデジタルでは大きな違いがあるんですよね・・・

このインバンドリンガーというヤツの働きはアナログ専用線の4線を6線に変換するものだと思っていただければOKです。
(音声レベルのPad値の補正とかもするけどな・・・)


          ____
        /⌒  ⌒\
      /( ●)  (●)\ 若干自論だおwww
     /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
     |     |r┬-|     |
     \      `ー’´     (⌒)
      >          ノ ~.レ-r┐、
     /          ノ__  | .| | |
      |          〈 ̄   `-Lλ_レレ
      |          ̄`ー┬–‐‐´

アナログ専用線の4線には音声(もしくはデータ)を送信・受信をするためのものだから、基本的にダイヤルパルスを送受信したり、接続・切断といった電話接続のための基本動作を検出するための線はないの。

例えばISDNのDchとBchに置き換えると、専用線だけだとBchしかなくて、Dchが無い状態なので音声(データ)のやり取りはできても、接続するための信号を送ることができないって状態。

共通線もないしな

ここで登場するのがインバンドリンガーの役目で、インバンドリンガーは4線式専用線の4Wの中の一定の周波数を利用してダイヤルパルスを送受信したり、接続・切断の動作を可能にするの。

だから、「インバンドリンガー」という名前なのね。

つまり4線の中・・・つまりIn、周波数はBandで、リンギング動作を実現する、4線の中の信号に含まれる周波数で相手の電話を呼び出す機能を実現するからインバンドリンガーなのよ。

どう?ここまでOK?

交換機~インバンドリンガー間の6線について

ここでは、6線って何なのか?、どうやって接続動作を実現しているのか?って部分に入っていこうと思う。

まず6線はそれぞれ何なのかを、例によってExcelでお絵かきしてみました。

インバンドリンガー

6本の線は、それぞれTA/TB/RA/RB/SS/SRと呼びます。

ここで、TA/TB/RA/RBは4線式アナログ専用線の伝送路のものと同様で、音声を送信・受信するためのチップ・リングのA線とB線ですね。

それにSS/SRという信号線を付け加えたものがODTの6Wということになります。


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   | 信号線を足しただけだおwww
   /( ●)  (●)\  !   !
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー’´     //
  / __        /
  (___)      /

少し話はそれるかもしれませんが、SS/SRという信号線の名称は交換機ベンダーによって若干呼び方が変わることもあって、ポピュラーな呼び方ではSS/SRですが、M1/E1と呼ぶメーカーもあったり、DL/RGと呼ぶメーカーもあったり様々ですので、複数のメーカーの交換機が混在する網の中で専用線網の構築などを行うと拠点間で呼び方がマチマチになって困ることもあるので注意が必要です。

余計なお世話ですね。

さて、SS/SRの意味ですが、SSはSignal Sendの略であり、SRはSignal Recieveのこと。

SSが信号を送信し、SRが信号を受信するための線だということが名前でわかりますね。


         ____
        /⌒  ⌒\
      / (⌒) (⌒)\ 名前の通りだおwww
     /  ::⌒(__人__)⌒::: \
     |       |::::::|   ,—、
     \       `ー’   しE |
     /           l、E ノ
   /            | |
   (   丶- 、       ヽ_/
    `ー、_ノ

ところで、さっきの絵の4線式専用線網の「4線」が途中区間でひねってある状態の絵になってますよね?

これが6線のつなぎ方の中でとても重要な部分でして、インバンドリンガーもしくは音声ゲートウェイを設置・接続の施工をするうえで理解しておかなければならない部分になります。

6線それぞれの繋ぎ方

先ほどの絵をもう一度見ておきましょう。
(同じものですよ)

インバンドリンガー

伝送区間がクロスになっていますよね?

実は、イメージ上伝送区間だけクロスで表現していますが、実は全て接続はクロスになるのが正解なの。


       ____
     /_ノ  ヽ、\  ちょっと
   /( ●)  (●).\ 言っている意味が・・・
  /   (__人__)  u. \
  |ni 7   ` ⌒´    . |n
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)
‘, U ! レ’ /      . . | U レ’//)
{    〈         ノ    /
..i,    .”⊃    rニ     /
 .”‘””⌒´       `”””””

はい、スイマセン・・・

ちょっと理解していただくために左側の交換機を自局、右側を対向局だと思ってください。

自局の音声を送信するのはTA/TBですよね?すると、当然のことながら対向局はその信号をRA/RBで受信することになります。

また逆に対向局から送信される音声信号は自局のRA/RBで受信することになります。

つまり接続イメージはクロス接続されているようなもの。


      γ⌒) ))
      / ⊃__
   〃/ / ⌒  ⌒\   ちょっと解ったおwww
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐’  /( ⌒)
               / /

そうですか・・・・

また、そのクロスになる状態というのは伝送区間だけではありません。

インバンドリンガーや音声ゲートウェイと交換機の間も同様のクロス状態になります。

例えば、交換機にTA/TB/RA/RB/SS/SRの6つの線を接続する端子があるとしますよね?すると、当然そこに接続されるインバンドリンガーや音声ゲートウェイにも同様にTA/TB/RA/RB/SS/SRの6つの端子があり、交換機対インバンドリンガーのそれぞれの端子の接続は下記のようになっています。

PBX IBR
TA RA
TB RB
RA TA
RB TB
SS SR
SR SS

ややこしいですか?

要は「自分が送ったものは相手は受ける」ってことで、自分のチップのA線は相手のリングのA線、自分のチップのB線は相手のリングのB線、自分のリングも同様、自分のSSは相手のSRって感じですね。

言葉にするとややこしく感じますが、「自分が送ったものは相手は受ける」と理解していれば大丈夫なのでは?

交換機側のTA/TB/RA/RB/SS/SRとインバンドリンガー側のTA/TB/RA/RB/SS/SR同士の繋ぎ方が解ったら、今度はそのシグナリングを送受信するSS/SRについて、もう少し詳しく見てみましょう。

SSとSRの働きのまとめ

一言でシグナリングって言っても、電話が繋がるってのは色んな動作が必要になります。

この「繋がる」ための動作は単純にこっちが信号を送って、相手が受けるというだけではありません。

SSとSRの代表的な働きを下に紹介していきます。

まずは自局のSSが行う働きは、相手局のインバンドリンガーを起動させる、ダイヤル信号を送出する、切断信号を送出するなど。

今度は自局のSRが行う働きは、接続確認信号・応答信号・終話信号などを受信することなど。

ここで、ワザワザ「自局の」と言っているのは、自局にも対向局にもSSはありますし、自局にも対向局にもSRはある。

このとき自局が発呼側だとした場合のSSと、対向局が受信側だとした場合のSSでは働きが違うのです。

少し難しい話になりますが、自局のSSは相手側のインバンドリンガーを起動させるといいましたが、逆に相手側のSSは接続確認信号を送出します。

このあたりの話に首を突っ込み始めるとシーケンス図を描いて信号のやり取りをかくハメになりますので、それは別の機会にしましょう。
(別の機会が本当にあるのかどうかは・・・)


  _ _   ___
 / ) ) )/ \  /\
 {   ⊂)(●)  (●) \ お前のやる気次第だなwww
 |   / ///(__人__)/// \
 !   !    `Y⌒y’´    |
 |   l      ゙ー ′  ,/
 |   ヽ   ー‐    ィ
 |          /  |
 |         〆ヽ/
 |         ヾ_ノ

はい、そうです。

基本的なインバンドリンガーの挙動

インバンドリンガーに使用されるTA/TB/RA/RB/SS/SRの6本の線が何をしているのか、ザックリ紹介してきました。

今度は、自局の交換機から発呼してインバンドリンガーを経由して相手のインバンドリンガーと交換機に接続されるまでの働きを少し解説します。

自局の内線がODTを捕捉すると、自局インバンドリンガーがSSにアースに接続し、キャリア信号を停止させます。

対向局では同様に対向局のインバンドリンガーがSRにアースを接続し、ここで対向局側の交換機のODTが着信状態になります。

次に自局のSSから選択数字信号を送出します。
(※この選択信号の送出については追記があります)

ここで、選択数字信号がダイヤルパルス(DP)である場合、自局のSSからダイヤルパルスを送出し、対向局のSRがこのパルスを受け取ります。

例のブレストで音を聞くとバタバタバタバタ・・・って鳴るやつね。

選択数字信号がトーン(PB)である場合、じゃ無くてRA/RBからPBの周波数を受け取ることになるのね。

コチラの音はピポパポ・・・って鳴るヤツ。

この選択数字信号を対向局が受け取ると、該当内線が呼び出されるの。

相手側が応答したら「応答信号」が対向局のSSから送出され、今度は逆に自局のSRがそれを受け通話が開始されます。

あとは、TA/TBで送話、RA/RBで受話信号がやり取りされて、相互にお話ができるようになるのね。


                |ヽ/|_
                .\   /
       ___       |__>
     /ヽ、 _ノ\
    / (○) (○)\  うむ!
  /   (___人__)  ..\ わからん!!!
  |  u  ノ   ヽ,   |
  .\   (/⌒ノ´フ   ./
   . .>   . ̄ ̄´  <.

また少し話がそれるようですが、そんなワケで相手と繋がる、相手の信号を受けるというキックに「アース」という存在がとても重要になります。

家電製品とかでもアースの端子は付いているけど、別にこのアースは繋がなくても機能的には問題ないし、パソコンとかでもアースはあるけど、べつにあっても無くても問題ないでしょ?

でも、この交換機~インバンドリンガー間の挙動にはアースの存在がとても重要になっていて、アース無しでは正常な挙動、正常な接続はできません。

また「アースが繋がっていればそれでいい」というものではなく、交換機とインバンドリンガーの双方のアースは同電位で無ければならないことも要注意だ。

これはインバンドリンガーだけじゃなくて、IP系の音声ゲートウェイを交換機とODT接続した場合も同じだからな。


       r‐┐
 /\   |  |
 \  \ |_|
<\ \/  \>  ,、 「l /)
     | !,l |//.、    OKだお!
     `、   (゙)}     ___
      l.  ィ”´   /⌒  ⌒ \
       |  |  /(⌒)  (⌒ ) \
       |  |/:::⌒(__人__.)⌒:::  \
       ヽ  |     |,┬‐ |       |
        \.\   `ー ´     /
         \       __ ヽ
          ヽ      (____/

復習すると、発呼したらSSに地気でキャリア信号が停止、相手のSRに地気で着信可能状態に、あとはダイヤル信号を送りつけるだけ!って感じです。

ウインクスタートとイミディエイトスタート

さて、ところでだよ?「後はダイヤル信号を送りつけるだけ!」って言ってもですよ、「どうやって送るの?」「いつ送るの?」とダイヤル信号をいつ・どのように送信するのか、また受け取るのかを自局と対向局・・・つまり発信側と着信側でダイヤル情報送出条件を取り決めしておかなくてはなりませんよね?

そこで登場するのが2つの起動方式である「ウインクスタート方式」と「イミディエイトスタート方式」です。


                  ._ _ _ コン☆
                 (ヽl_l_ll_l,l
                  // ̄ ̄ ̄\
             //  ノ   ⌒   \ ういんく!
            //  (>) (●)  \
              | .l    //(__人__)//    l
            \\     ` U ´     /
              ヽ ヽ          \

3.4k専用線について何らかの情報を得ようとして、この電気通信主任技術者のススメへたどり着いた方であれば、恐らく交換機技術について多少の知識がある方でしょうし、ウインクとイミディエイトは一度は耳にしたことがあるかと思います。

この2つの方式が何なの?と申しますと、確かに6線のうち音声線は4線(TA/TB/RA/RB)であり、残りの2線(SS/SR)はシグナリングのためのラインなのだからいつでも信号を送受信すれば良いような気がしなくも無いですが、ここでダイヤル信号を「どうやって?」「いつ?」送受信するのかを決めておかなければ、そもそも通話を開始することができませんからな・・・

そこで出てくるのが「ウインクスタート方式」と「イミディエイトスタート方式」。


               ∩_
              〈〈〈 ヽ
      ____   〈⊃  }
     /⌒  ⌒\   |   | 聞いたことあるだろ?
   /( ●)  (●)\  !   !
  / :::::⌒(__人__)⌒:::::\|   l
  |     |r┬-|       |  /
  \     ` ー’´     //
  / __        /
  (___)      /

それぞれ簡単に説明します。

まず「ウインクスタート方式」ですが、コチラは恐らく専用線のスタート方式の中で、一番ポピュラーな方式ではないでしょうか?
ウインクスタート方式では、発信側のSSが起動信号を出し、着信側のSRが地気に落として着信状態になったら「ウインク信号」というものをやり取りして、ダイヤル信号を受信する準備が整っていることをお互いに確認してからダイヤルを送信する方式です。

このウインク信号のことを「接続確認信号」といい、一般的には着信局側のSSから発信局側のSRに対して送られるもので、オッサン達はこれを「接確あり!」とかって表現します。


         ____
         / _ノ ヽ、\    せ・つ・か・く
      /o゚((>)) ((<))゚o  だっておwww
     /    .:゚~(__人__)~゚:\
     |         |r┬-|    |
     \、     i⌒i‐’  ,;/
    /  ⌒ヽ.ノ ノ  く
   / ,_ \ l||l 从\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
         ベシベシベシ

もう一つ「イミディエイトスタート方式」ですが、こちらはタイミングスタートと呼ばれることもある方式で、発信局側のインバンドリンガーが起動して一定時間経過したらダイヤル数字を送信するという方式です。
これは相手がダイヤル受信ができるかどうかの確認は無く、時間が着たら一方的に送出します。

他にも、ウインクスタートと似たような方式で、ウインク信号の変わりに400Hzのトーンを着信局から送出することをキックに数字をやり取りする「セカンドダイヤルトーン方式」なんてのもありますけど、やはり現場で一番多いのはウインクで、2番はイミディエイトじゃないかな?

いずれのスタート方式も「いつダイヤル数字を送出するの?」を発信局と受信局で取り決めるためのものなんだけど、この設定がマチマチになっていると発信できないとか、誤接続する・・・とかのトラブルの原因になっていたりするので、注意しましょう。

実際の現場でね、ケーブルもつけたし、ジャンパー工事も済んだ、交換機のデータも入れたし・・・さて、あとは試験だ!!!って段階でウマくいかない場合って、このスタート方式が間違っていた場合が殆どだったりするの。


            ___
          / ⌒  ⌒\   __
        / (⌒)  (⌒) \〈〈〈 ヽ
      /   ///(__人__)/// 〈⊃  }  開通だおwww
      |   u.   `Y⌒y’´     |   |
     \       ゙ー ′   ,/   /
     /⌒ヽ   ー‐    ィ     /
     / rー’ゝ           /
    /,ノヾ ,>         /
     | ヽ〆         |

私個人的に専用線開設の現場でトラブルになる原因は、スタート方式、ジャンパー間違い、信号方式(PB/DP)とかかな。

いや、マジで。

少しおまけ

一つ付け加えると、ジャンパー線とかで直接対向局のSRとかにアースを接続すれば通話状態になるということなので、TA/TB/RA/RBの4線を使ってブレスト同士で単体試験をすることもできんのね。

アナログ専用線でありがちなトラブルといえば、誤接続・方通話片通話などだけど、こうやってアースを直接落として4W伝送路自体に問題があるのか、インバンドリンガーに問題があるのか、交換機のODTに問題があるのかなどの試験を行うことができます。

ただ、この辺りは経験が無ければ辛いところだとは思うけどね。

どんなトラブルがあれば、どこに電圧をかけてみればいいのか、どこにアースを接続すればどんな試験が可能なのか、方通話片通話を確認するためにはドコに何を繋げばいいのか・・・とかね。

専用線工事のもうひとつの問題・・・それはレベルダイヤ!

交換機とインバンドリンガーが繋がり、そこに4線式アナログ専用線のラインが接続されれば、通話自体は可能な状態になる。

ここで、内線や局線であればお互いに相手と通話ができればOKってなもんでしょうけど、専用線の工事、網構築を行った場合レベルダイヤの構築が必要になります。

電話を利用した音声伝送って意外なほど音声レベルが大切で、素人さんだったら「音が小さければ電話機のボリュームを上げて、大きければボリュームを下げればいいじゃん?」と思われがちですが、確かに1対1の内線通話や局線の通話ではそれでいいかもしれません。

しかし、専用線の音声レベルの調整というものは自局の都合だけで音声再生のボリュームを決定できるものではありません。

例えば自局で音声の受信レベルが小さいと感じたからといって、勝手に専用線の通話音量を上げたとすると、もし自局の配下にタンデム接続された交換機へのボリュームも大きくなってしまうかもしれません。

シンプルな網構成のユーザさんなら多少はいいのかもしれませんが、大規模な私設専用線網を持っているユーザさんや、中継局などを含むような大規模網であれば、一部の伝送路のボリュームを上げ下げしたことが、周囲の拠点の音声品質にまで影響を及ぼすことがあるかもしれません。

このあたりの音声ボリュームを決定するためのネタになるのがレベルダイヤというもので、どこで何dBあげて、ドコの伝送路では何dB下がるから、最終的にエンドToエンドで何dBになる・・・ってな音声ボリュームを意識した網構成図だと思ってください。

電話屋さんはこのようなレベルダイヤ図を元に音声ボリュームを決定し、通話品質を守るようにしています。

昔は最終的には受話音量をドコの拠点でも-8dB前後になるように「マイナス8dB構成」というのが一般的でしたけど、ここ最近は電話端末自体の品質もよくなってきたせいか、「マイナス12dB構成」とする網のほうが一般的になってきたような気がします。


       ____
     /_ノ  ヽ、\  その話題は
   /( ●)  (●).\ 余計なんじゃない?
  /   (__人__)  u. \
  |ni 7   ` ⌒´    . |n
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)
‘, U ! レ’ /      . . | U レ’//)
{    〈         ノ    /
..i,    .”⊃    rニ     /
 .”‘””⌒´       `”””””

レベルダイヤの話はちょっと今回の主題からすると、不要でしたかね?

最後に・・・

さて、いかがでしたでしょうか?

少し長くて、読みにくかったですかね?

どうも私はスッキリ話をまとめるのが苦手で、ダラダラとやってしまいましたが・・・


         ____
       /     \
      / \   / \   長いおwww
    /  (●)i!i!(●)  \
    |  u , (__人__)    |
    \    .`⌒´    〆ヽ
     /          ヾ_ノ
    /rー、           |
   /,ノヾ ,>         | /
   ヽヽ〆|         .|

ここ長いこと更新してなかったこのブログで、久しぶりにこんなインバンドリンガーとか4線式アナログ専用線とかの話を書こうと思ったのは、専用線のことを教えてくれる人って少ないな・・・と感じたからです。

冒頭でも書いたけど、確かにアナログ専用線とかインバンドリンガーとかは廃れて行く技術なのかもしれませんが、今でも音声系ゲートウェイと交換機の間の接続はTA/TB/RA/RB/SS/SRだったりするの。

どの線が何に使われる何の線なのかわかっていないと、施工上でツライところがあるわけだけど、このあたりを現場のベテランのオッサン達に聞いても「そんなこと今更覚えてもしかたねぇよ」とか言ってマトモに教えてくれる人っていないのよ。

だからね、オッサン達が若者達に教える気がなさそうなので、ここは一つ中堅の私がブログでだけど説明してみようかな・・・と、思った次第。

みんな・・・わかりにくかったらゴメンね。


          , 、、  ,,                   丿⌒ヽ、
        , ‘  ____ ” 、、               /⌒     ヽ
         , ‘   /⌒三 ⌒\  ’,          (  す  す   )
       ;  /( @)三(@)\  ;          )  い    `  (
       ; /::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ;  _     /  ま     丿
        |  u   |r┬-|  u  | ;   ヽ 、_ノ    せ    /
       \   u `,. -‘”´´ ̄`ヽ ;    ヽ、_ノヽ  ん   ノ
    _   /    (___   | ’,          ) :  (
  ,、’  /              |  ;         (     /
 、 ( ̄                |  ;         ヽ、_ノ
     ̄ ̄ ̄|               | ;

今回ちょっと記事中にアスキーアートが含まれているのは、ちょっとした気まぐれです。

あまり気にしないでね。

長く無駄の多い記事に付き合っていただいて、ありがとうございます!



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コメント

    • デューク
    • 2017年 1月 16日

    はじめまして。なんだかとっても面白くてためになりますね。
    若いころに資格取ったけど、けっこう忘れてる「電話やさん用語」も多くて、なんとなく記憶の片隅にあった言葉を思い出して、このページにたどり着きました。

    文中に「アナログ専用線でありがちなトラブルといえば、誤接続・方通話などだけど、」と、ありますけど、
    これはきっと「片通話」ですね?

    • デュークさん、コメントありがとうございます!!

      もしかして私と同業者ですかね?
      通信系独自の言い回しってありますよね。
      デュークさんの仰る”けっこう忘れてる「電話やさん用語」”がなんだったのか気になるところ・・・

      さて、ご指摘の誤字は早速直しておきます。
      お恥ずかしい・・・

    • 品薄
    • 2017年 3月 21日

    はじめまして。ちょうど、ODT周りの不具合探求を投げつけられて、転げ回っていた所に救いの神がいらっしゃったようですので、ご挨拶に参りました。
    PBXの換装も控えているようなので、このサイトを活用させてもらいながら、頑張ろうと思います。

    • 品薄さん、コメントありがとうございます!!
      専用線関連の悩み事って、新規構築時よりもトラブル対処の時ですよね。
      4WSと4WRとSSとSRがどんな仕組みで、どのような役割をするのかがわかってないと障害の切り分けもできませんしね・・・

      しかも、こういった基本動作的なことってオヤジ達はなかなか教えてくれないし!!

      換装がウマくいくことを陰ながら応援してますよ。

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