ジッタバッファとか音声品質の問題とか交換機が無くならなかったりとか
さて、今日の電気通信主任技術者のお勉強はVoIP関連からの出題で音声品質の問題ですね
何年も前から通信系の業界では「もうすぐ交換機は無くなる」と言われ続けていましたが、今現在でも一向に交換機技術はなくなりそうな気配も無く、確かにIPPhoneを利用される企業さんも確かに徐々に増えてはいますが、結局レガシーの交換機と併用だったりで、世間から完全に「交換機」という機械がなくなるには相当時間がかかるような気がします。
ユーザさん・企業さんがオフィスの電話をレガシー環境からIP環境に思い切って切り替えることができない要因としては、費用面だったり信頼性メンだったりもするのでしょうけど、今日の問題にもある「音声品質」も結構ネックだったりするわけで・・・
まぁ、ここ数年で低価格で実現できるIP電話環境でも音声品質は随分と改善されてますけど、その音声品質を保つためにはバックボーン・インフラの整備が必須だったりするんだよね
さて
余談はさておき、今日はそんなIP電話の音声品質の問題です。
それでは、今日のネタはコチラ↓↓
問題文章 | ワンポイント |
---|---|
IP電話機の接続にリピータハブを用いると、受信したパケットが、リピータハブのすべてのポートに送られてコリジョンが発生しやすくなり、音声パケットも影響を受けることから、音声品質の劣化に繋がる恐れがある。 | この文章は正しいね
※リピータハブは物理層で動作していて、受信したパケットを全部のポートに転送するので、コリジョンが発生しやすいのです。 |
IP電話網の経路上で発生した音性パケットの損失は、受信側で再生される音声の途切れに繋がる場合がある。 このため、一般に、同じような波形が連続する音声信号の性質を利用して、欠落した音声を補完する機能などが使用されている。 |
この文章は正しいよ
☆IP電話網の経路上で発生した音性パケットの損失は、受信側で再生される音声の途切れに繋がる場合がある。 ☆同じような波形が連続する音声信号の性質を利用して、欠落した音声を補完する機能などが使用されている。 ※まぁ、常識ですな。 |
音声などのリアルタイムデータを送るためのプロトコルであるRTPは、到達順序の補正、遅延の大きいパケットの破棄などの機能を有している。 | この文章だって正しいのさ
☆音声などのリアルタイムデータを送るためのプロトコルであるRTPは、到達順序の補正、遅延の大きいパケットの破棄などの機能を有している。 ☆コレも常識ですな。。。さらっと流そう。。。 |
揺らぎ(ジッタ)は、音質や音量が断続的に変化するなどの現象として現れる。 このため、受信側VoIPゲートウェイでは、一般に、エコーキャンセラーを実装し、音声パケットの間隔を一定化している。 |
この文章は間違ってるよ
※エコキャンで音声パケットの間隔を一定にしてるんじゃなくて、ジッタバッファの仕事でしょ。 |
さて、いかがでしたか?
1つ目の文章のレピータHUBにおけるコリジョンの問題や、3つ目のRTPなどに関しては多少レイヤ2の勉強をしたことがある人にとっては常識問題ですね。
2つ目の文章はIP電話網におけるパケットロスの補完について記述されていますがこの音声の補完技術については各種キャリア、各種ディーラーで様々な技術を用いていますが、要は音声データを伝送していてパケットに欠損があったりすると当然欠損した音声データは聴取できないので、音声が途切れたような状態になります。
・・・で、この音声途切れに対する対応策として一般的には音声パケット受信側の処置としてごく短い時間(数10ms程度)のパケットロスであれば、定常的な信号として扱うことができるので正常な音声パケットの波形を分析・利用して欠損した部分を補うんですね。
あと、最後の4つ目の文章はジッタについて記述されていますが、音声の揺らぎ(ジッタ)の対策として採られる手法はエコーキャンセラではなくてジッタバッファですね。
ちなみに、ジッタバッファとエコーキャンセラのそれぞれの機能は下記の通りです↓
- エコーキャンセラ=電気信号や音声の出力が入力機器に拾われてエコーやハウリングを起こすのを防止
- ジッタバッファ=伝送路などの不安定さからくる「ゆらぎの影響」を受けないで済むようにするために、処理速度や転送速度の差を補うべくデータを一時的に保存しておく
つまり、揺らぎ(ジッタ)に対する処置は当然ジッタバッファなどの技術が用いられますしエコーキャンセラは名前の通り主にエコーに対する処置ですね。
案外当たり前のことが書いてあるので、冷静に問題を読めば今日の問題はクリアできるのではないですかね?
それでは、今日はこの辺で
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